景観資材総合カタログ
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防災・減災対策東日本大震災被災自治体におけるライフライン別の仮復旧までの日数※調査:名古屋大学エコトピア科学研究所 岡山朋子 協力:日本トイレ研究所(回答:29自治体)■ 避難生活で感じるトイレの問題点410仮設トイレは来ない災害時には水洗トイレは使えません。しかし、 東日本大震災において、仮設トイレが避難所に 行き渡るまでの期間が3日以内の自治体は僅か 34%、最長65日※掛かっており、災害時に使える トイレの確保は重要な課題です。仮設トイレは使えない東日本大震災において、仮設トイレが届いても、 バキュームカーの数に限りがあることから便槽が 一杯で使えなくなりました。また、テント型の組立て トイレは風で倒れ使えなくなったケースもありました。 今後、懸念される広域災害に向け備えが必要です。不衛生な環境便器に汚物が溜まることでトイレ自体が不衛生 になることはもちろん、水が使えないため トイレ後の手洗いが満足にできなくなります。不衛生な環境は、ばい菌の繁殖や感染症を 引き起こす大きな要因となります。精神的な苦痛トイレが自由に使えず、また仮設トイレの多く が男女共用であることから、トイレを我慢する、 あるいは食事や水分摂取を控える人が増えます。 身体面での疲労だけでなく、精神的な苦痛も蓄積されていくのです。起こる前に解決できる、災害時のトイレ問題。災害対応における重要設備として、トイレ環境整備が必要とされています。

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